子どもたちの感覚統合とタッチについて


感覚の統合は、子どもの発達における重要な要素のひとつであり、感じる力と脳が関係しているということを認識しておくことが大切です。私たちは情報を、見る、聞く、触れる、食べる、匂うといった5感から得ていますが、脳が正常に機能していない場合、これらの感覚から情報を適切に受けとり、利用することができないのです。感覚統合とは、この5感から受け取った感覚をまとめる力のことを言います。まとめることによって神経組織をつくっていくのです。感覚が統合されると、こどもの集中力、学習、自尊心、運動神経の能力を改善するということが研究結果により明らかとなっています。

そして、タッチはこの感覚統合のプロセスにおいて非常に重要な役割を担います。

脳の能力は、子どもによって異なりますが、ほとんどの子どもが、自然に成長していくため、感覚統合の力をもつことは当然のことと考えられています。しかしながら、すべての子どもの脳が五感からの刺激を正しく感知し、分類する能力をもっているわけではありません。感覚統合の能力が欠如していると、一般的なIQレベルがあるにも関わらず、学習発達障害になる場合がありますまた、健康的な環境で良い両親に育てられていたとしても、行動発達障害を起こす場合もあります。そのため、感覚統合の能力は、子どもの個性に非常に大きく影響していきます。

感覚統合がうまく働いていない子どもたちは、学習障害や行動障害によって誤解される場合があります。親や看護者が、こうした行動障害や育てにくさが神経の未発達により起きており、子ども自身ではどうすることもできないということを理解しているとは限りません。問題は子どもの脳にあるため、環境を変えることなどして、こうした障害を少なくする必要があります。

感覚統合の障害を防ぎ、扱うためには・・
感覚統合の障害は様々な要因によって引き起こされます。また、感じる経験が不足している場合も潜在的な原因となり得ます。子どもに機能障害の症状があらわれた場合、症状そのものが問題なのではなく、脳へ刺激が不規則となっていたり、うまく刺激されていなかったりすることがあります。機能を正常にするためには、マッサージやタッチセラピーなどの触れられる体験を行う必要があります。また、回転したり、ジャンプしたり、ひねったり、はったり、走ったり、泳いだり、登ったりする遊びも感覚を刺激し、脳に豊富な栄養素を与えます。
さらに、脳の発達は、触るという刺激によって強化されます。したがって、マッサージやタッチは子どもの生活において自然の一部である必要があります。脳は、タッチの刺激や、圧力、バランス、姿勢、光、音、匂いなどよる刺激、そして筋肉や関節からの情報を通じて発達していきます。

by ティナ・アレン

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