ことばを丁寧にひろう
1歳半のAくん。ダウン症を持つ男の子です。
出会ったのは1歳前。その時の様子は。
元気に床でコロコロしながら遊んでいたお子さまでした。
でも名前を呼んでも応じることはなく、抱っこしていてもしっくり添わない、床でコロコロ這っているのですがおもちゃで遊ぶわけでもなく、おもちゃを渡しても受け取ってくれない、絵本はなめるだけ。
ママは「息子と遊べた感じがしない。顔を見てくれない」と言っておられました。
そこでAくん親子にタッチケアを取り入れました。
触ったところをAくんは見てくれるかな?気にしてくれるかな?
触ってもいいのかなあ?やめて欲しいと伝えてるのかなあ?
そうやってAくんのことばを丁寧にひろっていきます。
もうひとつお伝えしたのが「おててちょうだいタッチ」でした。
お顔を見てくれないなら、手を動かしているのは見てくれるかな?
「Aくんのおててはここにあるよ」とAくんの手をなでなでして伝えます。
しばらくするとママに向かってAくんは手をのばしてきたのです。
ママは目に涙を溜めながら「嬉しい」と喜んでおられました。
その日から半年を過ぎた今は、ママと絵本を読みながらやりとりができます。
ママに抱っこを求めてきます。
ペターっとくっついてきます。
後ろからおんぶをされにきます。
ママに伝えたい気持ちが溢れて、いろんな音の声を出します。
嬉しいね。