山口創さんのfacebookの記事より転記させていただきました。

赤ちゃんを優しく手で包み込むと痛みが軽くなるそう

赤ちゃんは痛みを感じても、言葉で訴えることはできない。

繰り返し痛みを経験すると、情緒の発達などに影響が出る可能性がわかってきた。

早産や重い病気の赤ちゃんが入院する新生児の集中治療室(NICU)では、治療に伴う痛みを減らす取り組みが始まっている。

横浜市南区にある神奈川県立こども医療センター。

NICUには、小さく生まれたり、心臓などに病気があったりする赤ちゃん約40人が入院している。8月中旬に訪ねた。

午前8時半すぎ、保育器に入っている男の赤ちゃんから採血する準備が始まった。

妊娠26週で生まれて26日目、体重は835グラム。

前日に人工呼吸器が外されたという。

看護師が、液体のショ糖をしみこませた綿棒を、赤ちゃんの舌につけた。

ショ糖は、痛みを和らげる効果があるとされる。

綿棒を抜いた後、赤ちゃんの体を両手で包み込み、おしゃぶりを口に含ませた。続いて、医師が専用の器具でかかとを小さく切り、にじんだ血液を容器に採取した。

この間、赤ちゃんの泣き声は聞こえなかった。

新生児集中ケア認定看護師の斎藤香織さんが「わずかにみけんにしわが寄り、赤ちゃんの手足にぐっと力が入っていた」と説明してくれた。

看護師は、感じた痛みのレベルを赤ちゃんの様子から5段階で評価し、軽い方から2番目を記録した。

883グラムで生まれた次男が入院中の女性(34)は、次男が太ももに注射される際、両手で体を包み込んであげたことがあるという。「ふだんより落ち着いていたようで、『お母さんがいるからかな』と医師に言われ、うれしかった。痛みの対策はぜひ進めてほしい」

豊島勝昭・新生児科長は「家族の面会は、赤ちゃんの発達支援の一環でもある。家族も含めたチーム医療が大切だ」と話す。

ただ、女性は「痛みを伴う治療を受ける我が子を目にするのがつらく、親が立ち会わないほうがいいこともあると思う」と語る。センターも、家族の参加は試行錯誤の段階としている。

 ■関連学会が指針作り

赤ちゃんに与える痛みを減らすための方法を示す指針づくりが、NICUの関連学会の委員会で進められている。新生児期に繰り返し痛みを経験すると、後に知覚の異常や心身の発達に影響をもたらす可能性が、海外の論文などで報告されてきたことが背景にある。

指針は来年3月までにまとめる予定だ。

公表されている指針案は「推奨」と、それより弱い「提案」に分けられている。

治療や検査をする際に、赤ちゃんの体を手で優しく包み込むことを推奨とした。

赤ちゃんが感じた痛みの程度や反応などを記録することは提案とした。

足の裏から採血する際には、親の同意を得たうえで、事前にショ糖を赤ちゃんの口に含ませることを提案とした。

ただ、繰り返し使った場合の影響は十分にわかっていないとし、必要最低限にするよう求めた。

早産の赤ちゃんは、妊娠40週前後に生まれた赤ちゃんと比べ、痛みを感じやすいという。

NICUでは、痛みを伴う治療を1日10回以上受ける赤ちゃんもいる。人工呼吸器をつけていると、泣き声を上げることもできない。

広島大の小澤未緒講師らの調査(2012年)では、全国のNICUなど367施設のうち、医療チームとして痛みのケアに取り組んでいると医師が答えた施設は2割弱だった。

委員会の横尾京子委員長(広島大名誉教授)は「各施設が、できることから取り組んでほしい」と話す。(武田耕太)

山口創さんのfacebookの記事より転記

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