今日から5歳のAくんの「医療的ケアが必要なこどものタッチケア」のレッスンがはじまりました。
Aくんは「水無脳症」をもつ男の子です。(病名の掲載に関しては、同じような状態のおこさまを育てているかたの励みになったら・・・という思いで、ご家族の方が掲載を了承してくださいました)
この水無脳症とは、先天性の脳の形成異常で大脳全体が脳脊髄液で満たされた状態になっています。
生後長くは生きられないとも言われています。Aくんは5歳。医師もAくんの生命力に驚かれているそうです。
Aくんは生後4ヶ月でシャント手術を受けています。Aくんのシャントは脳内と腹部をつなぐ管を皮下に通し、たまった髄液を腹部に流して脳への圧迫を除いています。
Aくんは、赤ちゃんの時にベビーマッサージをしたことがあるそうです。でもその時は、身体に触れると嫌がっていたので、「Aくんはマッサージが好きじゃないんだ」とママは思われていました。
今も身体に触れると、身体を緊張させ、四肢がこわばったり、振戦が起きたりします。
Aくんの様子をじっくりお聞きしたあとで、Aくんが一番穏やかに触らせてくれるところから、タッチをしていきました。
ゆっくりと、でもしっかりとAくんの身体に触れていきます。ママはAくんの身体を感じながらすすめていきました。
腰から脚にかけて、そしておなか、胸とすすめていきました。
保湿目的で、お風呂あがりはAくんの胸に保湿クリームを塗るのですが、その時はいつも身体を緊張させます。
でも今日は大丈夫です。そして肩も触られると嫌がるAくんが、今日は手を縮めることもなく過ごしています。
タッチの途中、Aくんの表情が緩みます。
ほわーんとなった表情。笑っているようにも見えます。そしておめめもとろーん。このまま寝てしまうんじゃないかと思ったほどです。
パパは腕枕をしてAくんと寝るそうです。
そんな時にパパにしてもらえるタッチを考えていこうと思っています。
ママがAくんのタッチケアの望むことは、安らぎを与えリラックスさせる、筋肉の張りや緊張を減らす、便秘でお薬や浣腸をしているAくんのおなかの状態を改善する、関節の動き・可動域を改善する、睡眠パターンを改善する、接触過敏を落ち着かせる、表情を豊かにする、成長を促進する、身体意識を高める、親子の絆を深めることです。
Aくんに合わせた方法でタッチケアをすすめて、少しでもAくんが過ごしやすくなってくれたらいいなあと思います。タッチケアは基本的なものはありますが、それをどのように使っていくかは、おこさまの状態をみながら考えていきます。
今日はよく寝てくれるといいなあ。
Aくん、いい夢見てね。
*写真・記事の掲載は親御さんの同意を頂いています。
(レッスンにあたっての写真・記事の掲載については、受講時、毎回のレッスン時に確認させていただいています。
許可があった親子さまのみ掲載させていただいています)
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