Aくんは自閉症
6歳のAくんとパパとママが
広島からタッチケアのレッスンに
来てくれました
Aくんは、多動と知的を伴う
自閉症の診断を受けている男の子です
Aくんは、6歳ですが
知能は1歳に満たしていないと言われていて
パパとママは不安いっぱいで来られました
Aくんにとって初めての場所
新しい環境に慣れるのには時間がかかります
ママはせっかくレッスンを受けようとしても
Aくんが癇癪を起こさないか
大騒ぎするのではないか・・・
それを心配していました
やはり
Aくんははじめは
部屋の中を走って
ドアを開けて外に出ようとします
この場所にいるのが不安な事を
泣いて教えてくれていました
私はAくんの様子を見つつ
ママとお話をしていました
ママは時折涙ぐまれることもありました
そんなママを見て
Aくんはママのそばにきています
Aくんは感受性が強い男の子
ことばを話さないし
言ってることもわかっていないかも・・・と
言われていますが
Aくんは
よーくわかっています
ママのことが心配になったのかな
ママに私がタッチをしていると
今度は私のそばにやってきます
知らない人には近づかないAくんなのに
このAくんの姿に
パパもママも驚かれていました
でもまだまだ落ち着かないAくん
部屋の中を走ってドアを開けようとしています
Aくんにタッチするのは難しそうなので
パパとママにお互いに
タッチをしてもらいました
するとどうでしょう
バタバタしていたAくんが
ゴローンとねっころがっています
人に関心を示さないって
思われているAくんですが
遠くからパパとママのことを見てるんです
そしてどんどん近づいてきます
私の横に並んで座ってくれました
そばにあったお人形を持ってきて
パパやママがしているのを見て
お人形の手をとって
触っています
「真似っこなんてしたことがなかった」と
言ってたママでしたが
このAくんの姿にまたまたびっくり
ママに抱っこされにやってきます
ママの首にまわしたAくんの手になでなで
パパとママの真ん中にはいって
お顔にタッチをしてもらいました
Aくんの目を見て
目を合わせてねって
ママはいろんな場所で言われます
でもなかなか難しい
目を合わせるって
Aくんにとっては
怖いことなのかもしれませんね
だから目だけを合わせようと
頑張らなくていいのです
タッチされることに慣れてきたら
ほんのちょっと
おめめを見てみましょう
でもすぐに離してもいいのです
そうしているうちに
目を合わせられる時間が長くなってきます
そうやって
Aくんが受け入れられるペースで
ゆっくりとすすめていきます
帰る準備をしていたら
Aくん、自分からズボンをはきました
「自分ではいてる」
またまたパパとママはびっくりしたのでした
今までAくんは自分でズボンをはく意識を
もったことがないんです・・・とママ
タッチケアは
自分のからだを知ること
自分のからだのイメージを作ること
自分の境界線を作ること
安心していられるからだを感じること
安心していられる世界を作ること
タッチケアは受ける人も
している人も
呼吸がおだやかになり
からだの力が抜けてくる
まさにオキシトシンホルモンの力ですね
ママはこの記事をかくにあたり
Aくんの自閉症のことも今の状態のことも
ぜんぶ
載せてくださいって言ってくれました
タッチケアは赤ちゃんだけのものだと
思っていたそうです
もっと多くのかたに
タッチケアのことを知ってほしいからと
記事の掲載にあたり
一緒に考えてくれました
正直、感動や驚きが大きく、多く、言葉にうまく出来ずにいるのですが…………
タッチに期待することの1つに、落ち着きを求めていました。
知らない所、知らない人、遊ぶ遊具もなく、落ち着きを求めるどころか癇癪が割り増し
息子にタッチしてもらう事で落ち着けると想像していたこととかけ離れ、両親のふれあいとなり、大人が誰1人息子に関わっていないのに、息子から笑顔が見え癇癪が止まり…
先生にじゃれついて行き真似っこまでしたことに、ただただ驚きました。
子供をどうにかしたいと考えるばかりで、子供に何かすることしか意識せず、大切なのは、子供が置かれている環境。
子供が安心出来る空間作り…
そのなかでのスキンシップこそなんだな…と思いました。
あとは、『目』の使い方が大きな学びでした。
何より、また先生に会いたいと思う私達夫婦です。
そう思える空間を先生から頂いて過ごせた時間そのものも、これからの息子の生活に生かしていきたい学びでした。