支援者の言葉はママへのギフトになる

ベビーマッサージの教室や育児相談、親子の集まりの中で、ママたちはよくこんな言葉を口にします。
「よく泣くんです」
「人見知りが強くて…」
「抱っこばかり求めるんです」
「寝返りがまだなんです」
「同じ月齢の子と比べるとゆっくりで…」
その言葉の奥には、単なる相談以上のものが隠れているように感じます。
ママたちは赤ちゃんを連れて来ているようで、実は“わが子を見る目”を探しに来ているのではないでしょうか。
ママが本当に知りたいこと

育児をしていると、できることやできないことが気になります。
発達は順調なのだろうか。
何か見落としていることはないだろうか。
このままで大丈夫なのだろうか。
もちろん、支援者は必要な課題を見逃してはいけません。
発達の遅れや疾患の可能性に気づき、必要な支援につなげることは大切な役割です。
しかし、ママが知りたいのは「大丈夫ですか?」という答えだけではありません。
本当に知りたいのは、
「この子はどんな子なのでしょう?」
ということではないでしょうか。
支援者の言葉は赤ちゃんを説明する言葉になる
私たち支援者の言葉は、赤ちゃんを説明する言葉になります。
例えば、
「よく泣く子ですね」
という言葉。
それは事実かもしれません。
でも、その言葉だけを受け取ったママは、
「育てにくい子なのかな」
「私の関わり方が悪いのかな」
と感じてしまうことがあります。
同じ姿を見ても、
「気持ちをしっかり伝えられる子ですね」
「周りの変化によく気づく子ですね」
「感受性が豊かな子ですね」
と伝えることもできます。
赤ちゃんは同じです。
変わるのは、その子を見る視点です。
発達とは「できるようになること」だけではない
私たちはつい、
寝返りができた
座れた
歩けた
話せた
という“結果”に目を向けがちです。
しかし発達とは、何かができるようになることだけではありません。
その子の中で、
何が育っているのか。
どんな準備が進んでいるのか。
どんな経験を積み重ねているのか。
そこを見ることも大切です。
寝返りがゆっくりな赤ちゃんがいるかもしれません。
でもその子は今、
じっくり体の土台を育てているのかもしれません。
人見知りが強い赤ちゃんがいるかもしれません。
でもその子は今、
安心できる人をしっかり見分ける力を育てているのかもしれません。
抱っこを求めることが多い赤ちゃんがいるかもしれません。
でもその子は今、
大好きな人とのつながりを確かめながら、安心の土台を築いているのかもしれません。
『発達』とは「できた瞬間」だけではなく、「そこに至るまでの過程」そのものなのです。
そして『発達』とは、それぞれの立場、それぞれの人生においてみんな捉え方が違うのだろうなと思っています。
これに正解があるわけではない、でも自分が『発達』をどのようにとらえているかを知っておくことは大事だと思っています。
「課題」だけでなく「育ちの意味」を伝える

支援者は課題を見つける専門家である前に、育ちの意味を伝える存在でもあります。
もし私たちが、
「まだ寝返りしませんね」
「人見知りが強いですね」
「抱っこばかりですね」
という事実だけを伝えたら、
ママの心には不安が残るかもしれません。
けれど、
「今はじっくり体を育てている時期ですね」
「安心できる人をしっかり見分けているんですね」
「ママとのつながりを確認しているんですね」
という視点を添えることで、
同じ出来事が“心配”ではなく“育ち”として見えてくることがあります。
課題を伝えないのではありません。
課題と一緒に、育ちの意味も届ける。
それが支援者の大切な役割なのだと思います。
ママの安心は赤ちゃんの安心につながる
赤ちゃんは言葉の意味がわからなくても、
ママの表情
声の調子
空気感
まなざし
を感じ取っています。
ママがわが子を不安な気持ちで見続けるのと、
「この子なりに育っているんだな」
と安心して見守るのとでは、
親子の間に流れる空気は大きく変わります。
だからこそ、
ママが安心してわが子を見られることは、
赤ちゃんの安心にもつながっていくのです。
支援者のまなざしは保護者に伝わる
保護者は、支援者の言葉だけでなく、まなざしも受け取っています。
赤ちゃんを見る時の表情。
声のトーン。
関心の向け方。
そこには、その支援者が持つ発達観が表れています。
だから自身の『発達』とは、ということを改めて感じる必要があるんだと思います。
そして、そのまなざしは少しずつ保護者へ伝わっていきます。
「心配なところを探して見る」
のか、
「育っているところを見つける」
のか。
支援者の見方は、やがて保護者の見方になります。
だからこそ、私たちが赤ちゃんをどう見るかはとても大切なのです。
評価ではなく理解を届ける
私たち支援者が届けたいのは、
評価ではなく理解。
不安ではなく希望。
正解ではなく、
「この子らしい育ち方がある」
という視点です。
発達を学ぶことは、
発達の遅れを見つけるためだけではありません。
赤ちゃんの姿の中にある意味を見つけ、
その意味を保護者へ届けるためでもあります。
まとめ
赤ちゃんを見る目を育てる。
それは、発達を学ぶことだけではありません。
赤ちゃんの姿に意味を見つけること。
そして、その意味を保護者へ届けること。
支援者の言葉は、単なる説明ではありません。
ママがわが子をどう見るかを形づくる、大切なギフトです。
今日、あなたは赤ちゃんをどんな言葉で表現しますか。
その言葉が、誰かの育児を支える力になるかもしれません。
こちらの本はこのような支援をするのに役立ってくれますよ↓


