先日「ハートノート式タッチケアの教科書」134ページと「ワークブック」52ページの原稿が完成し印刷に出しました。

入稿完了した瞬間、最初に思ったのは、

「よくここまで作り上げられたなぁ」

ということでした。

嬉しさと、ほっとした気持ちと、少し信じられないような気持ち。

そして、これまで関わってきた親子の顔や、一緒に学びを深めてくださった方たちの顔が、次々と思い浮かびました。

「育ちのハートーク便」を始めた時、実は何もできていませんでした

この教科書とワークブックのもとになったのは、
1年間続けてきたオンライン動画配信
「育ちのハートーク便」です。

月に2回、20分前後の動画を配信する。

赤ちゃんの発達、タッチケア、感覚、季節の暮らし、東洋医学、親子関係、保護者への声かけ。

それらをつなげながら、赤ちゃんをまるごと見る視点を届けたい。

そんな思いで始めました。

でも実は、

「育ちのハートーク便を始めます」

と皆さんにお知らせした時、まだ何もできていませんでした。

やりたい気持ちだけはありました。

伝えたいこともたくさんありました。

でも、実際に形にすることが、こんなにも大変だとは思っていなかったのです。

20分の動画を作るのに100時間以上かかりました

最初の動画を作る時は、本当に大変でした。

構成を考え、テーマを考え、
内容を深め、
文献や資料を見直し、
原稿を作り、
画像を作り、
パソコンに向かって話し、
動画を編集する。

たった20分ほどの動画を作るために、最初は100時間以上はかかったと思います。

めまいもしました。

腸管出血までしました(笑)。

正直、

「このペースでは24本の動画なんて完成しない」

と思いました。

それでも続けられた理由

すでにお申し込みをしてくださった方がいました。

お支払いも済ませて、楽しみに待ってくださっている方がいました。

その方たちの顔が浮かぶたびに、

「途中でやめるわけにはいかない」

と思いました。

もちろん、もし完成できなければ返金すれば済む話かもしれません。

でも私にとって一番つらいのは、
私を信じて楽しみに待ってくださっている方を裏切ることでした。

だから、自分の気持ちを奮い立たせながら、続けてきました。

続けることは、自分を育てることでもありました

不思議なもので、続けていると少しずつできるようになっていきました。

最初は100時間かかっていた20分の動画が、少しずつ短い時間で作れるようになりました。

構成を考える力。
言葉にする力。
画像を作る力。
話す力。
編集する力。

どれも最初からできたわけではありません。

続けていく中で、少しずつ育っていきました。

この1年を通して、

続けることは、スキルを磨くことでもある

ということを、身をもって感じました。

24本目の動画が完成した日

1年間、月に2回。

全部で24本の動画。

その最後の動画が完成した時が、一番嬉しかったかもしれません。

「できた」

「最後までやり切れた」

その思いで胸がいっぱいになりました。

「どの言葉も残しておきたい」と言ってくださった方たち

動画配信を続ける中で、受講してくださった方から、こんな言葉をいただくようになりました。

「ノートを作っています」

「内容が濃すぎて大変です」

「どの言葉も残しておきたいんです」

その言葉が、とても嬉しかったのです。

そして思いました。

それなら、私自身が文字として残しておこう。

動画でお伝えしてきた内容を、ただの文字起こしではなく、もう一度整理し直して、学びやすい形にしたい。

そうして生まれたのが、今回の
ハートノート式タッチケアの教科書+ワークブックです。

この本は、赤ちゃんを見る目を育てるための本です

この教科書とワークブックは、
単に「赤ちゃんについての知識を増やすための本」ではありません。

私が一番大切にしたかったのは、

赤ちゃんを見る目を育てること

です。

赤ちゃんの発達。
タッチケア。
感覚。
季節の暮らし。
東洋医学。
親子関係。
保護者への声かけ。
解剖生理。

これらをバラバラの知識として学ぶのではなく、
線としてつなぎながら、赤ちゃんをまるごと見つめる視点を育てる。

そんな教材にしたいと思いました。

子育て支援者の方に届けたい理由

赤ちゃんに関わる仕事をしていると、
「この赤ちゃんをどう見たらいいのだろう」
「お母さんにどう伝えたら安心につながるだろう」
と考える場面がたくさんあります。

泣く。
反る。
寝ない。
抱っこを求める。
向き癖がある。
寝返りがゆっくり。
離乳食が進まない。
人見知りが強い。

そうした一つひとつの姿を、問題としてだけ見るのではなく、
その子の発達、感覚、からだ、心、暮らしの背景とつなげて見ること。

そして、保護者の不安を責めるのではなく、安心につながる言葉で伝えること。

そのための視点を、この教科書とワークブックに込めました。

ワークブックは「自分の言葉」にするために

教科書を読むだけでも学びになります。

でも、読んだことを現場で使える学びにするためには、
自分で考え、自分の言葉にしていく時間が必要です。

ワークブックには、書き込みながら考えられるページを入れています。

赤ちゃんを見る視点を整理する。
支援の言葉を考える。
自分の現場に置き換える。
学びを振り返る。

そんなふうに使っていただけたら嬉しいです。

私一人では作れなかった本です

この教科書とワークブックは、私一人で作ったものではありません。

これまで出会ってきた親子。
講座に参加してくださった方。
学びを深めてくださった多くの方々。
育ちのハートーク便を楽しみに待ってくださった方。

たくさんの出会いがあったからこそ、生まれた教材です。

私が作った本というより、
皆さんとの時間の中で育ってきた本なのだと思います。

おわりに

赤ちゃんの育ちは、ひとつの視点だけでは見えません。

からだのこと。
感覚のこと。
心の安心。
親子の関係。
季節の暮らし。
保護者の気持ち。

それらがつながりながら、赤ちゃんは育っていきます。

この教科書とワークブックが、
赤ちゃんに関わる方の学びを深め、
目の前の親子を見るまなざしをやさしく育てるものになれば嬉しく思います。

ここまで育ててくださった皆さんに、心から感謝しています。