身体の発達と食べること

1歳6ヶ月のＡくんとパパ･ママが小児タッチケアのレッスンを受けに来てくれました。
Ａくんは、結節性硬化症という病気があります。
発達はゆっくりです。
パパ・ママの一番の気がかりは、Ａくんが口からすべての栄養をとることができたらいいなあということです。
今はお口からの食事と、お鼻にいれたチューブから栄養をとっています。
食べる力が弱いので、まだお口からとチューブからの両方からの栄養が必要なんです。
「チューブを入れ替えるたびに泣き叫ぶＡくんを見るのが辛い、早く経管栄養を卒業させてあげたい」というのがパパやママの願いです。

食べることを促すタッチケアが今日の中心です。
でも食べることだからってお口だけに注目しても、それだけではなかなかすすまないことが多いのです。

Ａくんは、身体に触られるのが苦手です。
手のひらや足の裏を床にくっつけようとしても、嫌そう。
はいはいはしていますが、首や手の力が弱そうです。

パパやママに身体の発達と、お口との関係のお話をしました。
「食べることはお口だけのことではないんですね。身体全部とつながってるんですね」とびっくりされておられました。

Ａくんは、胸を触られるのが好きです。ママはＡくんの胸をよくなでなでしていたそうです。
背中も気持ちよさそうです。今日はパパがなでなでしていました。

Ａくんの好きなことを探して、そこから始めてみることにしました。

焦らない焦らない。ゆっくりこれからやっていこうね。

初めてのレッスンを終えたママが、「Ａくんにしてあげられることがわかってよかった」と言ってくれました。