穏やかな呼吸

もうすぐ7歳になるAくんのタッチケアのレッスンでした

 

初めにタッチケアをしたのは5歳の時。

 

今日は2年ぶりのレッスンとなりました

 

Aくんは「水無脳症」の診断を受けている男の子です。

（病名の掲載に関しては、同じような状態のおこさまを育てているかたの励みになれば・・・との思いで、ご家族の方が了承してくださいました）

 

4月から、ママと一緒に養護学校に行ってます。

 

療育と養護学校と、弟の保育園とで、毎日ママは大忙しです。

 

最近のAくん、呼吸がしんどくなることがよくあります

 

今日もお口を大きくあけて、粗い呼吸だなあという感じでした。

 

痰がからまり、途中で吸引もしました。

 

脚や手を触られると、力がはいり振戦がおきます。

 

特に足の裏は苦手です

 

療育では、今まで歩行練習もしていたのですが、今はマッサージが中心となっています。

 

Aくんの様子を見ながらタッチをしていきます。

 

ゆっくりと、そしてしっかりとママがAくんの身体に手をおきます。

 

Aくんの反応を見ながらすすめていきます。

 

時々力がはいり、そうなると、脚をひっこめて、呼吸も粗くなります

 

その時は、手を動かさずに、じっとそのままタッチします。

 

今日は足の裏もタッチできました。

 

足の指も甲も全部タッチできました。

 

足がおわった後のAくん、大きな息遣いから、鼻ですーすーと呼吸する場面もありました

 

 

脚をタッチしながら「長くなったね」とママ。

 

ママの手は、Aくんのからだをしっかりと記憶しています

 

 

顔のタッチの時の、Aくんの気持ちよさそうな顔が印象的です

 

でも鼻の下は嫌だったようです

 

Aくんのからだと、ママの手でのコミュニケーションです。

 

 

うつぶせになるのは苦手なAくんなので、側臥位での背中と脇のタッチ。

 

右向きも左向きもしました。

 

 

「ここはかたいなあ」と言いながら、緩むまで、その場所でじっと手を動かさずにタッチ

 

緩んできたら、手を動かします

 

呼吸がおだやかになっています

 

Aくんが終わったら、ママの背中にタッチしました

 

頑張ってるママのからだ

 

タッチで緩むといいなあと思いました

 

 

ママにタッチしていると、そばで寝ているAくんからは、ほとんど呼吸している音が聞こえないくらいすやすやとした呼吸。

 

 

「眠ってしまったかな」と思い、Aくんのお顔を見ると、大きなおめめをぱっちりと開けているのです

 

 

起きているのに、こんなに穏やかな呼吸をしているのはとてもめずらしいことだそうです

 

 

身体が緩んで、呼吸もしやすくなって、気持ちよくなったんだね。

 

 

「しんどいと、Aくんが周りのことに気を向
けることさえできなくなる。こうして楽になると、音をきいたり、周りの世界のことを感じることができるようになる」と言っておられました。

 

 

タッチケアが終わったAくんは、静かな呼吸で、おめめをぱっちりと開けて、きょろきょろと動かしていました。

 

おめめも動かしやすくなるタッチもしたもんね。

 

こういう穏やかな時間がたくさんあるといいね

 

タッチケアはその穏やかな時間をママのおててで作ってあげることができます。